地縄で平面に位置が決まったので、次に遣り方をだして、高さをみていく作業の紹介です。(遣り方は丁張りなどとも呼ばれます)
あわせて、段取りの大切さについても触れておきます。
遣り方とは、
図面で描いた建物を原寸大で、地面に映し出していく作業。
これが、地縄とか遣り方といった作業です。
地縄は、土地に建物の平面的な位置を、
遣り方は、これに高さを加えていきます。
一般的には、地縄張りで示した建物の外壁部分より少し離れたところに、杭と板などを用いて組み上げていきます。
ここで決めた高さが、建物の高さのはじまりになっていくので、しっかりと決めていきたいところです。
遣り方は、水盛り、とか、丁張り、などと呼ばれたりします。
(意味的にはそれほど変わらないと思います)
私は、丁張りと呼ぶので以下、丁張りとします。
詳しくは、専門家のサイトを参考にされてください。
建築における遣り方(やり方)とは?具体的な手順を6つのステップでわかりやすく解説・・遣り方に使う道具や手順が、解説されてあります。
丁張りをかけました
地縄張りで建物の位置が地面にでたら、その位置から少し離れた場所に、水平と高さを持った、位置取りの印をつくっていきます。
丁張りをつくる目的は、建物の基準となる位置を正確に示すことにあると思います。
BM(ベンチマーク)を決める
まずは、BM(ベンチマーク)を決めておきます。
BM(ベンチマーク)とは、高さの基準とする点のことで、建築予定地に設計GL(完成した時の地盤面の高さ)などの高さを出したり、できた構造物のチェックを、したりします。
建物が完成するまで使用するので、動かない場所に設置します。
例えば、付近のコンクリート構造物とか、杭を打ってBMをつくる場合も、何かに当たって動かないように、周りを柵のように囲ったりします。
トラバース測量で、平面的な基準となるT(トラバー点)と兼用する場合もあると思います。
私の場合は、コンクリート土間部分に印をつけて使いました。
丁張りをかけました
丁張のつくり方としては、建物の角部分がわかるようにL字型で囲むようにしたり、
もしくは、全体をぐるりと建物の形状に沿ったかたちにつくっていく場合もあると思います。
基礎部分をつくるのに必要な位置(通り芯や基礎高さなど)を確認することができれば、OKだと思います。
基礎ができたら外すので、後で解体できるようにします。
後の型枠作業などの邪魔にならないよう、地縄の位置から少し外側に逃がした(離した)場所に杭や筋交いなど打って、垂直方向の部材を固定していきます。
今回は、杭の効く(しっかりと刺さる)ところが、あまりないので、コンクリートの土間部分には、コンクリートビスを使いました。
垂直方向の部材(杭など)が固定できたら、これに水平に高さの基準となる板(水貫)をつけていきます。
なるだけ曲がっていない板をグラグラしないよう、水平にしっかりと固定します。
板のへりに釘を打って水糸を張り、通り芯や型枠を建て込むのに必要な位置が引っ張れるにします。
丁張をかけるときは、トータルステーションや、レベルを使うことが多いと思います。
トータルステーションが使えないので、今回は地縄張りの時と同様に、
レーザー墨出し器(写真 三脚上)と、スケールや巻き尺を使いました。
精度はだいぶ落ちると思いますが、レーザー墨出し器は、受光器を持っていれば一人でも作業できるので便利です。
段取りの大切さ
いきなりですが、ここで段取りについて触れておきます。
段取りとは、まず、やること(目標)があり、そこに向かってスムーズに事が運ぶように準備をする、といった感じの意味です。
皆さんご存知だと思うので、あまり説明は必要ないとは思うのですが、やはり大事だと思うので少しだけ書いておきます。
例えば、何かの材料を買ったとします。
「とりあえず、ここに置いておくか」
といった場合、かなりの確率で別な場所に置くことになり、二度手間になります。
これが、量が多い場合は、置き直すだけで一仕事になってきます。
そもそも、置く場所を確保しておかなければ、置くことすらできない、といった事態になりかねません。
こうならないためには、事前に作業の状況とスケジュールを考えたうえで、搬入しやすくて、運び出しやすい場所を確保しておいて、
「ここに置いておくのが最善」
といったところに最適なタイミングで置く、というのが段取りになるのだと思います。
この丁張りの段取りとしては、
全ての水貫の高さは型枠の天端(一番高い部分)より少し高い位置にしました。
基礎天端などにすると、型枠のほうが高くなるので水糸が張れません。
また、別に高さを必要とする部分がないので、全て同じ高さです。
地縄から逃がす(離す)距離も、型枠突っ張りの足がかりにしやすい位置にしました。
また、南側中央に建物の出っ張りがあるのですが、この部分は丁張りを離して間隔を広げました。
これは、後で砕石をダンプカーで予定地に直接搬入するためです。
こんなことを考えながら、作業してました。
おわりに一言
最後まで読んでいただきありがとうございます。
「段取り八分、仕事二分」の言葉の通り、段取りのうまい方の仕事ぶりは、見ていて気持ちがいいです。
段取りには、一日一日の作業での短いスパンのものと、作業の行き先を見据えた長いスパンのものが、あると思います。
これらを合わせて、上手に段取っていけたらいいなと思ってます。
DIYのような作業をする場合、
全体の作業をイメージして
自分は、何ができて、何ができないのか、
また、どれくらいの時間で、どれくらいのことができるのか、
きちんと把握することが段取りの第一歩になると思います。
私は、DIY以外の場面でも、このようなことをよく考えます。
虚勢をはらずに、そのままの自分と向き合って、
自分の器量を見つめていきたいです。
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