生コンを打設した後の、養生作業の紹介です。
コンクリートの養生や、養生期間についても触れておきます。
コンクリート打設後の養生とは、
コンクリートは水分と反応する水和反応によって固まっていきます。
この水和反応を滞りなく進めるために、養生が必要なのだと、理解しています。
生コンを流し込んだ後に、
夏場の高温による急激な乾燥で、表面の水分が極端に失われてしまうと、クラックなどの原因になるかもしれません。
冬場の低温で、水和反応に必要な温度を確保できなければ、コンクリートの品質は低下するかもしれません。
この品質低下を防ぐため、シートや養生マットを被せるなどして養生します。
気温の高い夏場は、シートなどで覆ったりする封かん養生、
養生マットや水を張ったりして、急激な乾燥を防ぎ、コンクリートの水和反応を促進する湿潤養生。
気温の低い冬場は、養生マットや断熱材で表面を覆い封かん養生で、
コンクリートが固まるときの熱を利用して品質低下を防ぎます。
また、凍結が予想される極端な低温になる真冬の場合、
別途にヒーターや、練炭などの熱源を用意して温める必要があります。
打設後ある程度固まる前に凍結したりしたコンクリートは、
スカスカとなって表面がきちんと固まっていない状態になります。
こうなると、コンクリート品質は極端に落ちます。
私の地域では、コンクリートが「しみた」と言って嫌われてます。
たぶん方言です。
別途、熱源を用意する場合も、以前
「冬場、練炭を焚いているシートの中で作業していて、気分が悪くなったことがある。」
と、左官さんに聞いたことがあります。
このような状況は、一つ間違えば、大きな事故に繋がります。
安全確保には、十分に気を配る必要があります。
専門家のリンクを参照してください
コンクリートの養生方法をプロが全種類解説・・・様々な養生方法が紹介されてます。
コンクリート打設後の養生期間は、
養生期間や養生方法ついては、季節によって異なります。
気温の低い冬場のほうが養生期間は長く、作業工程も多いと思います。
以下、公共建築工事標準仕様書から、抜粋して編集したものになります。
“ 7節 養生
(1) コンクリートを寒気から保護し、打込み後5日間以上は、コンクリート温度を2℃以上に保 つ。
ただし、早強ポルトランドセメントの場合は、3日間以上、コンクリート温度を2℃以上 に保つ。
(2) コンクリート打込み後、初期凍害を受けるおそれのある場合は、以下による初期養生を行 う。
初期養生の方法は、打ち込んだコンクリートの全ての部分について、その温度が2℃以下 にならない方法とし、次による。
- コンクリートの打込み後、直ちに露出面をシート等の適切な材料で隙間なく覆う。
- 気温が一時的にでも0℃以下になると予想される場合は、コンクリート露出面及び開口 部をシート等の適切な材料で隙間なく覆う。
- 気温が数日にわたり0℃以下になると予想される場合又は一時的にでも-10℃以下に なると予想される場合は、構造物全体をシート、合板等の適切な材料で覆い、構造物の内 外部を所定の温度に保つように採暖する。
(3) コンクリート打込み後、セメントの水和熱により部材断面の中心部温度が外気温より 25℃以 上高くなるおそれがある場合は、温度応力による悪影響が生じないよう適切に 養生を行う。 ”
ポイントは、適切な養生によって、気温が低い時期は、コンクリート温度を2℃以上に保つこと、
気温が高い時期には、コンクリートの中心部温度が外気温より 25℃以上にならないようにすること、と言えるのではないでしょうか。
公共建築工事標準仕様書・・・引用元の公共建築工事標準仕様書です。こちらの7節 養生の部分を引用して編集してあります。PDFが開きます。
養生期間は、よく、中5日(間に5日間養生する)などと言われることがあります。
コンクリートが既定の強度になるまでは1ヶ月くらいかかるそうですが、
中5日は、次の型枠作業に入るまでの期間で、型枠作業するには問題ない強度になっていることを示すものです。
これは、現場監督さんの判断によるところもあると思います。
一般的な建物の場合、平均気温が10℃以上20℃未満の場合は6日以上、
20℃以上の場合は4日以上経過すれば型枠を取り外しても良いそうです。
コンクリート打設後の養生をしました
私の場合は、スラブ打設後ブルーシートをかけて10~14日くらい養生期間を設けました。
ベタ基礎をつくる際、何度か生コン打設を行っていますが、
まとめて紹介しておきます。
ベタ基礎スラブ打ち込みの翌日、シートをめくって覗いてみると、
ムワッと熱風がきました。
外気温に加えて水和反応による熱もあると感じました。
その後、雨が降り出したので急いでシートを外しました。

打ち込み最中の雨は、ガッカリですが、
打設後の雨は、恵みの雨です。

立ち上がり打設後も同様にシートをかけました。
このあと暫く留守にしていたので、10日位このままでした。
シートを外すと、セルフレベリングモルタル部分は結構クラックが入っていました。
失敗を生かそうと、次に打設した雑コンの排水ピット打設後には、水を張って養生してみました。

写真では分かりづらいですが、木枠の間に水を入れてあります。

そのあとに打設した、雑コンの浴室床面では、
「おさえ」の途中から雨が降ってきて、急いでシートをかぶせて養生しました。
こちらは、ガッカリの雨です。
おわりに一言
最後まで読んでいただきありがとうございます。
コンクリートの養生は、実はとても大切な工程です。
特に、氷点下になる冬の時期や、猛暑日と呼ばれる真夏の時期は、
養生のやり方次第で、コンクリートの品質を大きく落としかねません。
コンクリート打設のスケジュール調整ができるなら、できれば避けたい時期です。
生コン打設時の気温とか、雨とか、
外仕事というのは、ほんとうに季節や天気に左右されますね。
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