DIYで,木造平屋を建てる【設計編8】屋根勾配でプレカット業者さんと問答に

DIYで,木造平屋を建てる【設計編8】屋根勾配でプレカット業者さんと問答に 設計編
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プレカット業者さんと問答に、と題してありますが、

実際には、私の勘違いでプレカット業者さんに、大変ご迷惑をおかけしました

という内容です。

プレカットのながれについて、何か伝えられれば、と思います。

「軽微な変更」「計画変更」の違いについても触れておきます。

プレカットとは、

通りすがりに、家が建っていくのを見かけると、

基礎ができたな、と思っていたら、

あっという間に、屋根じまいまで終わっていたりします。

これを可能にしているのが、プレカットです。

プレカットとは、現場では、組み立てるだけで済むように、

事前に、工場で材料をカット(加工)しておくことです。

様々な機器による正確な加工と、

大工さんが現場で手刻みで加工する手間を省くことで、

短期間の施工とコストカットを実現しています。

プレカット工法も変化していて、最初のころは、

以前に大工さんが手刻みしていたものを踏襲したような加工(在来工法)が、多かったように思いますが、

金物を用いて、材料の欠損を最小限に抑えた加工(金物工法)などが、出てきてました。

(工法によっていろいろな名前がついています)

最近では、異なる材料(木材、鉄骨、コンクリートなど)を組み合わせて、それぞれの特性を活かした、複合素材のようなプレカットもあるようです。

このように変化しながら、様々なバリエーションが増えています。

すごいですね。

一方で、現場で手刻みできるような大工さんが減ってきている、

というのは残念です。

プレカットのながれ

プレカット材が現場に届くまでの、一連のながれです。

打ち合わせ

設計図ををもとに、打ち合わせが行われます。

CAD入力

設計図と打ち合わせ内容をもとに、

データ入力専門のオペレーターが、データの入力を行います。

プレカット加工

入力したデータをもとに、材料を加工します。

機器がCADからのデータを直接受け取って、正確に自動で加工するそうです。

検査

加工の不備がないか検査されます。

材料には、番号や搬入先などの情報が印刷されています。

納品

到着後、速やかに組み立てられるよう、現場の施工スケジュールにあわせて出荷されます。

私が、注意しておけばよかった、と思ったことは、2つ。

ひとつ目は、打ち合わせ段階での、図面の照合です。

プレカット図面が、基本図面の意図した通りにおさまっているか、

図面を重ねて、細かいチェックが必要だと感じました。

2つ目は、スケジュールについてです。

プレカット材は、現場で使用したい日程にあわせて出荷されます。

この日程がずれ込むと、どこかで保管しておく必要が出てきます。

私は、なんとか引き取ることができましたが、

工場で、一時保管という話も出ていました。

本当に申し訳ございません。

屋根勾配で、プレカット業者さんと問答になりました

今回、プレカットを依頼するにあたっては、

基本設計図をもとに、プレカット業者さんといろいろと打ち合わせを行いました。

提出された施工図を確認して、また、打ち合わせをしながら、検討します。

問題が無くなったら、加工に必要な日数を聞いて、逆算するようなタイミングでの発注、

といったながれでした。

その中での出来事です。

『』内は実際のやり取りで使ったメールと、画像の抜粋したものになります。

まず、こちらが用意した図面を送って、目を通してもらいます。

最初に送った図面の一部です。屋根勾配が5寸勾配になっています。

DIYで描いたX軸断面図

屋根は、片側が寄棟屋根のように(下図左側)

反対部分(下図右側)の屋根が切妻屋根のような形をしています。

全体では、ボートをひっくり返したような、ちょっと変わった形です。

私は、全部の屋根の勾配を、屋根足場をかけずに施工できるギリギリの5寸勾配で考えていました。

DIYで描いたY軸断面図

最初の打ち合わせは、現場の確認も兼ねて、こちらのほうに来ていただきました。

後日、先方からメールが来ました。

『 先日は打合せありがとうございました。工場で打合せた結果、寄棟の箇所を5寸勾配にした場合。切妻部分との収まりが出来ない事が判明しましたので、この屋根形状を納めるためには、寄棟勾配を7.07寸勾配にしないと収まりません。
一度ご確認宜しくお願い致します。』

業者さん
業者さん

全部、5寸勾配だと、おさまらないですね。

モトケイ
モトケイ

え?おさまらないですか。

あれ、おかしいな、、

慌てて図面をを見直して、

自分が考えていたおさまりを、パース図で描いて送りました。

モトケイ
モトケイ

参考画像を、送りました。

こんな感じで、おさまると思うんですけど、、

DIYで描いた3Dパース図

入れ替わるようなタイミングで、

先方からもメールにて画像が送られてきました。

業者さん
業者さん

こんな感じで、おさままらないと思いますよ。

プレカット業者さんの3Dパース図

そこには、勾配によるおさまりの違いが、

ハッキリと分かるように示してありました。

モトケイ
モトケイ

ギャフン!

やっと、自分の思い違いに気づいて、平謝りです。

モトケイ
モトケイ

大変申し訳ございません。私の勘違いでした。

業者さん
業者さん

おさまらないですよねぇ。

隅木をすべて5寸勾配にしたので、屋根勾配もそうなると思い込んでいました。

『 私の勘違いです。申し訳ございません。寄棟の部分の隅木が5寸勾配で同勾配になって、切妻からの母屋と同じ高さで寄棟の部分も母屋をまわして、そこに垂木をかけていく。と、いった感じで考えていました。寄棟の部分の屋根勾配は、おっしゃるように7寸?といった、切の悪い勾配になるのだと思います。重ねて、すみませんでした。』

馬鹿ですね。

よく考えれば分かることなのに、

こうなる、と思い込んでいました。

反省を込めて、2度書きました。

「思い込み」は、セルフチェックを簡単にすり抜けてしまうので、非常に厄介です。

気を取り直して、屋根勾配を考え直します。

7寸だと、屋根足場をかけないと施工できないので、

切妻屋根の部分を3.5寸勾配にすることにしました。

『屋根勾配の変更案を送ります。3.5寸勾配で、お願いします。これだと、寄棟の部分で三角屋根部分の勾配は、だいたい5寸勾配(4.95)くらいになると思います。これくらいだと、何とか屋根足場をかけずに、いけるかなと思いました。』

モトケイ
モトケイ

この案で、お願いします。

この度は、お騒がせしました。

業者さん
業者さん

大丈夫ですよー。

業者さん、とてもやさしい方でした。

「軽微な変更」と「計画変更」の違い

ちなみに、、建築確認申請を終えている設計を変更する場合は、

気を付けなければならない事があります。

変更内容によっては、建築確認申請を、もう一度やり直すことになるかもしれません。

これは、「軽微な変更」と「計画変更」の違いという話になってきます。

建築確認申請を行って、審査に通過すると、確認済証が発行されます。

以後、申請図面通りに施工しなくてはなりません。

しかし、実際に建物が出来上がってくると、

イメージしていたものと違う、、

ここは、もっとこんな感じにしたい、、

など、設計変更する場合があります。

この変更内容が、「軽微な変更」に、該当する場合は、

申請すれば変更可能になります。

それ以外は、「計画変更」となり、

確認申請の手続きをもう一度踏むようなことになります。

大変です。

大変ですが、不可能ということではありません。(内容に依ります)

この分かれ目は、”建築基準法規則3条の2”になります。

(詳細は下記リンク先の専門家の記事をご覧ください)

この中の項目に該当すれば、軽微な変更として認められる、かもしれません。

例えば、今回の記事の場合、”建築基準法規則3条の2”の

”1-3 建築物の高さ 低くなるもので、建築基準関係規定に適合することが明らかなもの”

に該当するので、「軽微な変更」として届け出可能かもしれません。

私は、素人なので、正直わかりかねますが、

私の場合は、建築確認申請をしていないので、

そのまま変更しました。

この様に、煩わしい手続きを踏まなくてよいというのは、

建築確認申請を省けるメリットと言えると思います。

但し、建築基準関係規定に適合する、というのは、大前提です

建築確認申請を省けるから何をやってもいい、ということではありません。

ご注意ください。

専門家のサイトを参考にされてください。

確認申請における『軽微な変更』の判定基準|建築基準法の規則を解説・・・建築基準法規則3条の2の項目が詳細な解説があります。

おわりに一言

最後まで読んでいただきありがとうございます。

前述したように、今回は、

「私の勘違いでプレカット業者さんに、大変ご迷惑をおかけしました」

という内容です。

なにかしら、打ち合わせの雰囲気が伝われば、と思い、メールや画像など、そのまま抜粋しました。

読みづらい部分は、飛ばしてください。

たいしたことは書いてません。

今回、記事内に出てくる方は、

小屋組みの記事で出てくる業者さんが、依頼した別の方です。

最初の打ち合わせに、お二人で、現場に来て頂きました。

その後は、電話やメールで打ち合わせしました。

後で、また現場にきて頂いたときに伺った話ですが、

「自分は、B to B で仕事することがほとんどなので、

(私のような)施主に会うことは、ほとんど無いですね。」

とのこと。

B to Bとは、ビジネスtoビジネスのことで、

企業同士のやり取りを指す言葉だそうです。

個人相手だと、

B to C、ビジネスtoカスタマーとなるのだと。

知りませんでした。

ビジネス用語みたいなのはサッパリです。

さて、前置きが長くなりました。

何が言いたいのかと申しますと、

家を建てる際、

施主として向き合う担当さんとか、

営業の方以外にも、見えない部分で、

たくさんの方々が動いていて、

そういった顔の見えない方々の仕事が集まって、

家が出来上がっていくのだなぁ。

ということを改めて思いました。

本当に、感謝、感謝です。

私が、ただ施主としてだけなら、

彼のような好青年に会うこともできなかった、

と思うと、得した気分です。

このような方に出会えて、私は幸運です。

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