DIYで,木造平屋を建てる【設計編6】基礎伏図と配筋図

DIYで,木造平屋を建てる【設計編6】基礎伏図と配筋図 設計編
記事の最後に広告が含まれています

基礎伏図とは、基礎を真上から見た図面になります。

その基礎の中に入る鉄筋の配置を表す図面が配筋図です。

DIYで描いた基礎伏図、配筋図と、鉄筋コンクリートについても触れておきます。

鉄筋コンクリートとは

鉄筋コンクリートは、型枠に鉄筋を組んで、生コンクリートを流し込んでつくられます。

優れた耐久性と、自由度が高く、堅牢な構造物をつくることができるため、

数多くの建築物で使用されています。

コンクリートは、押す力には強いけれども、引っ張る力には弱いという性質があります。

ここに、粘りがあり引っ張りに強い鉄筋を入れて抵抗し、

全体のバランスと強度を上げた複合素材、というわけです。

複合素材とは、違う素材を合わせて使うことで、

互いの欠点を補い合って、

1+1=2以上の結果を出す、というものです。

コンクリートは強アルカリ性のため、酸化(さび)に弱い鉄筋を保護してくれます。

合わせることで、強度だけではなく、耐久性も上がるというのは、すごいですね。

出来上がるまでの工程は多いですが、とても優れた素材です。

1981年以降、基礎コンクリートに鉄筋を入れることは義務化されている為、

現在の木造住宅の基礎部分は、全て鉄筋コンクリートで出来ています。

基礎伏図とは、

基礎伏図とは、基礎部分を真上から図面です。

基礎全体の形や、立ち上がりや人通口、アンカーボルトの位置、などの位置関係が分かるようになっています。

要所部分の基礎断面図も、添えられている場合もあります。

基礎の大きさ、高さ、構造、などが把握できる図面です

以下、木造住宅のベタ基礎で主に使われる部分の役割と名称です。

スラブ

ベタ基礎の場合、底に広がる平面部分を指します。

スラブがあることで、全体が一体化されて強固な基礎をつくることができます。

ベタ基礎の特徴的な部分になりますね。

鉄筋が格子状に入っています。

強度を上げるために、2重に(ダブル配筋)なっている基礎もあります。

こちらの記事でも触れています。ご参考に。

立ち上がり

柱や土台の荷重を受けるため、立ち上がっている部分を指します。

建築基準法では、高さ30cm以上、幅12cm以上耐力壁の下には連続してつくることが決められています。

こちらの記事でも触れています。ご参考に。

地中梁

基礎スラブ下部に設置される、梁になる部分を指します。

根切りをする際、地盤面を掘り下げることによって、つくられます。

地面の中に位置するので、地中梁と呼ばれます。

小規模の住宅では、設置されない場合もあると思います。

外周部分も、地中梁の役割を持っている、と理解しています。

人通口

トラブル時やメンテナンス作業のために、

床下に後から人が入っていける通り道になる部分を指します。

一般的には、立ち上がり部分を、幅600mm位で切り取ったような形で配置されます。

構造的に、弱くなる部分なので、必要以上にはいれませんが、配置しておかないと、後のメンテナンスがたいへんです。

これは、床下点検口の位置とも関係してきます。

また、人通口の周りには補強筋をいれます。

アンカーボルト

土台や、柱の引き寄せ金物を固定するために、あらかじめ基礎立ち上がりに埋め込む金物です。

アンカーボルトの位置取りの目安です。

土台用M12アンカーボルト

  • 柱芯から200mm以内
  • 土台継ぎ手、男木側120mmくらいの位置
  • 間隔は2700mm以内
  • 長い(≒4M)土台の部分には3ヶ所以上

柱引き寄せ金物用M16アンカーボルト

  • 柱面から30mmくらいで土台中心の位置(位置取りは、使う金物によって指定があります)
  • 耐力壁を考慮して配置

以上の点に気を付けて配置する必要があります。

アンカーボルトの埋め込み深さの目安です。

  • M12で250mm以上
  • M16で360mm以上

この目安は、一般的なZマーク金物などのものです。

なかには、埋め込み深さが短くても、同等の引張強度を有する製品もあるので、十分な埋め込み深さが確保できない場合に有効です。

あくまで、目安です。

図面上でしっかりとした検討が必要です。

こちらの記事でも触れています。ご参考に。

基礎伏図を描いてみました

私の場合は、ベタ基礎になるので、基礎全体がコンクリートで覆われるかたちになります。

立ち上がり部分にアンカーボルトの位置や、人通口などが、記載されています。

要所部分の、断面図も添えてあります。

この図面は、後述する配筋図を変更を反映した図面です。

配筋図とは、

配筋図とは、鉄筋の種類や組み方を詳しく記した図面です。

鉄筋コンクリートの性能を十分に生かすためには、

適切な場所に、適した鉄筋を設置していくことが重要です。

一般的には、構造建築士により、この適所適材を考察した図面が描かれます。

木造住宅の基礎のような場合は、

ハウスメーカー、設計事務所、基礎屋さんなどが、製図する場合もあると思います。

いずれの場合も、伏図(平面図)と断面図が必要になってくると思います。

構造物全体が、鉄筋コンクリートでつくられた建物(RC造など)は、

もっとたくさんの図面と、構造計算が必要になります。

以下、木造住宅のベタ基礎で主に使われる鉄筋の役割と名称です。

主筋と配力筋

ベタ基礎の平面部分(スラブ)には、格子状に鉄筋が入っています。

この網の目になった鉄筋は、主筋と、配力筋という名称で分かれています。

構造物に受ける力に、メインで抵抗する鉄筋が主筋、

主筋に力を均等に伝えていくのが配力筋、と理解しています。

一般的には、短辺方向が主筋で、長辺方向が配力筋になります。

ちなみに、スラブでの配筋は、主筋が下側(地面側)で、配力筋がその上側になります。

縦筋と横筋

縦方向に置かれる鉄筋が縦筋横方向になると横筋、と呼ばれます。

いずれの鉄筋も等間隔で並べることが多く、ピッチと呼び、@200などと表記されます。

ちなみに、@200は200mm間隔で並べてね、という意味です。

建築基準法では、基礎鉄筋のピッチは300mm以下となっています。

あばら筋(スターラップ筋)

あばら筋は、スターラップ筋とも呼ばれます。

ベタ基礎では、外周部分地中梁の部分に配筋される鉄筋のことです。

基礎の形状にあわせて、加工してあります。

配筋については、こちらの記事でも触れています。ご参考に。

配筋図を描いてみました

最初に描いた配筋図になります。

壁面の下にグルリと、立ち上がりが設置されていて、

そこにD13とD10の横筋、D10の縦筋が入るようになっています。

スラブ部分は、D10を200mmピッチの格子状になっています。

これを、知り合いの構造建築士の方に監修していただきました。

根切りをしない旨も、伝えてあります。

下の図面が、アドバイスを頂いたときのものです。

新しく、D16を使った〈立ち上がり2〉を設置することと、

スラブ部分の配筋ピッチを200mmから150mmに変更する、

というアドバイスを頂きました。

ありがとうございました。

その通りに修正します。

指摘された部分を修正した図面です。

これが、そのまま施工図になります。

おわりに一言

最後まで読んでいただきありがとうございます。

記事内で出てくる構造建築士の方には、

以前の建築計画のころから、

大変、お世話になっており、

ご迷惑もおかけしています。

もちろん、私が、自分で設計、施工する、

ということも承知の上です。

プランを何度も変更して、

その度に、目を通して頂いて、、、

本当に、本当に、

ありがとうございました。

このような方に巡りあえて、

私はとても幸運です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました